暁の明星 宵の流星 #133
滝壺の上をいとも簡単に登りきったアムイは、川岸に転がる大小の岩石の隙間を調べていた。
目当ての薬草は、だいたいこのような川辺の岩の間に生息しているからだ。
見つけた薬草を何本か抜いていた時、微かにビリ、と空気が震えたような感覚がアムイを襲った。
(何だ?この波動は…)
あまり経験した事のない波動の感覚に眉をしかめ、アムイはそれが何か、もっと察知しようと精神を統一した。
(これは…)
その不可思議な波動と混じって、知っているような波動も感じる。そう、この“気”は…!
「サクヤ!?」
アムイは弾かれるように立ち上がり、それを確かめるべくその波動を追った。
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サクヤがいない…。
水を汲みに戻ったガラムは呆然とした。
(何で…?どうして…!これからサクヤの仲間が迎えに来るっていうのに…!)
ガラムは次の瞬間、慌てて外に飛び出した。
自らここを抜け出たとすれば、きっと自分がいた井戸の反対方向に行った筈だ。
「レツ!!セツカ!!」
ガラムは周辺に大きな声を出し、自分の仲間を呼んだ。
「どうしたガラム」
ガラムの声にレツが気がつき、後方から現れた。
「サクヤがいなくなった!きっと自分で死のうとしてる!」
「…そうか…。確かにそのような節はあったが…」
「レツはセツカに知らせて!とにかく俺、捜しているから!!」
「おい、ガラム…!」
ガラムはそうレツに叫ぶと、草木を掻き分け森の奥へと進んで行った。
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鳥を追いかけていたリシュオンは、やっとの事で滝壺の上に登り切り、荒い息を整えていた。
「はぁ、はぁ…。まったくさすが天下の聖天風来寺(しょうてんふうらいじ)出身者…。
こんな崖を簡単に登ろうなんて…」
毎日兵士と共に身体を鍛えているリシュオンは、普通の王族よりも身体能力はあるとは思っていたが、さすがに本格的に鍛えている人間とは比べ物にならないと、実感した。
と、疲れている場合ではない。
リシュオンは慌てて空を見上げ、鳥を確認する。
鳥は長く空を飛んでいるようで、何だか疲れているように見える。
ふらふらと、たまに体が揺らいでいる。
(ああ、そうか…)
リシュオンは思い当たった。“気”を辿る伝鳥(でんちょう)は、気術士よりも数倍も個人の“気”を判別できて、確実にその相手を捜し出し、その人間の元へ必ず到達する。
だが、確かアムイは今、用心の為に“気”を封じる…というか隠している。
そうだとすると、かなり伝鳥はアムイを識別するために、力をフル発動し、自分の“気”をかなり消耗している筈だ…(と、どっかの文献で読んだ)。
まぁ、死ぬ事もないのだが、その分、鳥も動きが鈍くはなるのだろう。
それにアムイはもう近くにいる筈。鳥がアムイの手に渡ったら自分の目で見させてもらいたい。いや、触らせてもらえないだろうか…。
そのような事を考えながら、リシュオンは水が流れ落ちる際で辺りを見渡した。が、肝心のアムイの姿が見えない。
「あれ…何処に行ってしまったんだろ…」
きょろきょろと辺りを見渡しているうちに、伝鳥は川原の隣にある森林の方へ飛んで行ってしまった。
「森…?アムイは森の中に入って行ったのか」
リシュオンも慌てて鳥を追うように森林の中に入って行った。
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どのくらい、森の奥をさすらっているのだろう…。
サクヤは眩暈を感じ、大きな木の傍で蹲った。
(まただ…)
さっきから、体内の幼虫の動きがおかしい。
激しい動きはないが、何かを求めているようないやらしい動きに思える。
そう、近くに獲物が潜んでいるのを感じ取ったような…??
獲物…?まさかな…。
サクヤは自分の考えに一笑した。
何だろうか。体内で孵化した幼虫は、自分の“生気”を糧に育っていくのは教わった。
だが、実際にその虫の宿り主になって、初めてサクヤは知ったのだった。
“気”を喰らう虫は、話の通り毒素と共に稀有な波動を出す…。
だからなのか?その波動が自分の感情とシンクロする事がある。
体内の虫の行動や感情がダイレクトに理解できる…。さすがに虫の思考までは互いに異種の存在だから無理だけど。
それでも、今、この虫が機嫌がいいかとか悪いとか、腹を空かしているとか眠いとか…。この程度の感情の動きがわかるようになっていた。
(……子を宿すとは、こんな気分なのだろうか…)
うっすらとそんな事を思ってみる。…だからといって、自分の中にいるのは人の子ではない。人に災いをもたらす害虫なのだ。
「…くそ…。頼むから大人しくしてくれよ、頼むから…」
ぶつぶつと言いながらサクヤは再びだるい身体を立て直し、のそのそと前を歩き始めた。
(…?水?)
何処からか、微かに水の匂いがする。
さまよい続け、喉がからからに渇いているサクヤにとって、我を忘れるほどの誘惑だった。
(水…!)
無意識のうちにそちらに行こうと身体を反転して、サクヤは自嘲した。
死のうとしている自分が…。このまま朽ちていいと思っている自分が。
思いがけずに目に涙が滲んだ。
生命(いのち)の本能は、“生きたい”と主張しているのだ。
こういう状態でなければ、本当は生きたいのだ。…生きて、自分の思う人生を全うしたい…。
そう思うと死の決意が霞み、サクヤは求めるまま水の誘惑に惹かれていった。
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サクヤの“気”が、近い…!
アムイは森に入って、ずっとその波動を追っていた。
たまに重なる不可思議な波動も気にかかったが、それ以上にサクヤの“気”を優先した。
(あいつがこの近くにいる!絶対にいる!!)
アムイは確信して草木を掻き分けた。
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「私は気術士ではありませんが、波動を感知するこの石が、サクヤの行方を追ってくれますから。
ジース=ガラム、心配しないでください」
セツカはそう言うと、波動感知として有名な銀水晶の塊を出し、前方にかざした。
「うん…」
その後方で、ガラムは走りながら小さく頷いた。
実は、運良く護衛の兵士達に護られた昂極(こうきょく)大法師と、虫専門の学士である珍(ちん)を出迎える事ができたセツカの元へ、ガラムがサクヤが居なくなった事を知らせに行ってくれたのだった。
レツの話を聞いて、迎えに出向いていた者達は驚いた。
「それは大変じゃ!とにかくサクヤを捜そう」
慌てて言う昂老人の言葉を、珍が冷静に受け止める。
珍は一見学者らしかぬ風体の初老の男で、普段身なりを気にしないのであろう、着たきりのよれよれの着物に、肩までの白髪交じりの黒髪は、手入れしていないのがありありとわかるくらいにボサボサだ。
「いくら“気”や波動に手馴れた昂極様も、高位の“気”の持ち主である事をお忘れなきように。決して宿り主の近くには寄りませんよう、重々お願いいたしますよ」
「わかっとるわい。ま、こんな状況じゃが、緊急の封印くらいはできるでの。…早くサクヤを確保せねば」
まさか大法師直々に、出迎えに来るとは思ってもいなかったセツカ達は驚いていた。
だが、今回は未知な改良された虫なのだ。“気”の専門家がいた方が何かと心強いものがあるが…。
ということで、サクヤの“気”も追える昂老人も、自分の感覚を四方に張り巡らせながら、セツカとガラムの少し後方に、レツ達とついてきていた。
急いで移動する連中に、周りの木々はざわめき、森に生息する小動物達は慌てて彼らに道をあけた。
しばらく行ったであろうか、昂老人も、セツカの銀水晶も、一方向にある種の“気”を感じ取った。
セツカは昂を振り向くと、その反応を確かめた。
「昂極様!銀水晶が西北で反応しています…。いかかですか?」
「うむ、わしもそう感じる。この先は何がある?」
昂老人の問いに、レツが答えた。
「川です。…この先は確か、そんなに大きくはないが、川があった筈」
「川か…。ならば、宿り主は水を求めて川に行った可能性があるな。急ぎましょう」
そう珍が言った時だった。
ガササササーッ!!
突然横から一人の男が飛び出してきて、あわや珍達とぶつかりそうになった。
「だっ!誰だ!!」
驚いた珍はすっころび、横にいた西の護衛に支えられた。
「す、すまない…って、えっ!?」
飛び出してきた男も、彼らに驚いて姿勢を崩したが、優雅に近くの木に手をつくと見事に立ち直り、彼らを見て声を上げた。
「リシュオン様!?」
もっと驚いたのは西の護衛の方だった。ぶつかりそうになった相手が、自分の仕える王子だったのだから当たり前である。
「お前達…というか、え?大法師様?」
解せないという顔で、リシュオンは周りを見回した。
先に行っていたセツカも昂老人も、思わぬ人間との遭遇に驚いて、足早に彼の元へとやってきた。
「リシュオン殿!こんなところに…!という事はアムイもおるのか?」
「大法師様こそ…!いったいどうなっているのです?こんなところで…しかもこの方達は…」
昂老人はリシュオンの表情で、彼が何も知らないであろうと悟った。
「まさか…まだアムイに伝鳥が届いていないのか…?」
「やはりあの伝鳥はアムイ宛でしたのですね」
リシュオンは合点がいって、急いで自分が何故この森の中に入ったかを説明した。
「という事は…まずい!サクヤがこの付近にいるらしいのじゃ。アムイがサクヤに出会う前に、伝鳥が届けばよいのだが…」
「とにかく早くサクヤの元へ向かいましょう」
セツカの言葉に昂は頷いた。
「もちろんじゃ!
…リシュオン殿、取り合えず詳しい事は後で…。
とにかく手遅れになったら大変な事じゃ!」
こうして一行は必死の思いで、先に進んだ。
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サクヤの“気”が強くなってくる。
アムイは急いでその方へ走った。その“気”がどんどん強く迫ってくる。
「サクヤ!!」
堪らなくなって、アムイは叫んだ。
「サクヤ!!何処だ!」
その声が、サクヤの正気を取り戻させた。
「あに…き…?」
我には返ったが、サクヤは自分がとうとう幻聴までしてきたのかと疑った。
まさか…。だってこんな所に兄貴がいる筈…。
そう思った時だった。
ぐりり…!!
サクヤは突然の体の痛みに襲われて、草むらに足を取られた。
あともう少しで、小川に出るところだったのに…。
ぐり…ぐりぐり…!
サクヤは息が詰まるほどの痛みに、必死で何かにすがりつこうとした。
(な、何だ?どうしたんだ!)
この痛みは、体内の幼虫が暴れているのに他ならない。夜行性であろう穢れ虫は、日中の今はまだ、昼寝している筈…。
起きていても、こんなに跳ねるほど暴れるわけがない。なのに、いきなりどうして…。
あまりの痛みに目が霞むサクヤは、呻きながら近くの草を握り締めた。
「サクヤ!!」
そのサクヤの前方でアムイの声が飛んだ。
(兄貴!?嘘…まさか…!)
霞む目を凝らしながら、サクヤは声の方を振り仰いだ。
「ここにいたのか!どうした?苦しいのか!?」
前方、三メートルほど先に、アムイの姿があった。アムイは急いでサクヤの元へ駆けつけてくる。
そこでサクヤは意識がはっきりした。
(いけない…!!!)
サクヤは気力を振り絞り上体を起こすと、尻をついたまま後退(あとずさ)った。
「サクヤ?」
その様子が尋常じゃないと思ったアムイは、サクヤに手を伸ばしながら近づいた。
「だ、だめ、だ」
拒否するようなサクヤの様子。アムイはまったく事情を呑み込めていない。
「何言ってるんだ!どこか悪いのか?おい、サクヤ!!」
「だめだよ!兄貴、オレの近くに来ちゃ…!!」
シュー、シュー、シューッ…。
な、なんだ?この音は…。どうもその音は自分の体内から聞こえてくる。
どう考えても中の虫が発している…。まるで獲物を見つけたような…!
「兄貴!!」
サクヤは喘いだ。まさかそんな…。虫が兄貴に反応している…!
もうすでに、アムイはサクヤの腕を取ろうと、目の前にいた。
「あ、ああ、兄貴っ!触っちゃいけない!触らないでっ!!!」
アムイはサクヤの激しい拒否に、何がなんだかわからぬまま、サクヤを落ち着かせようと急いで彼の両腕を掴んだ。
パキーン!!!!!
「なっ!?」
サクヤに触れた途端、鋭い音がして、キイがかけた“気”の封印バリアが弾け飛んだ。
キュイィィィィィィィーーーーーーーーーーンン!!!!!
「あああああああぁぁっ!!」
突然超音波のような音がしたかと思うと、急にサクヤが激しくのた打ち回り始めた。
…体内の虫が興奮し、サクヤを地獄の苦しみに落とした。
「わぁぁぁぁあっっ!!」
アムイもまたサクヤに触れたと同時に、もの凄く引っ張られるエネルギーを感じ、勢いよく自分の“気”が吸い取られていく感覚に襲われた。
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「見えた!!」
突然、閉じていた目を開け、叫んだのはティアン宰相である。
「今の感じたか、ミカエル!」
「はい!暁の“金環の気”ですね!間違いない」
興奮したティアンに、ミカエルが即効に答えた。
南の宰相ティアン一行は、ずっと滞在していた森の中で、この時を待っていたのである。
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「いけない!!!」
この反応を察知したのは、ティアン達だけではない。
二人を捜していた昂老人もである。
「い、今のは何なんです!?」
“気”に詳しくない者達も、今起きた波動の乱れには衝撃過ぎて唖然としている。
「まずい!二人が接触してしまったようじゃ!急げ!こっちじゃ!!」
昂老人は叫ぶと、もの凄い速さで走り出した。皆は蒼白となって昂老人を追う。
「うぁああああぁぁーーーー」
駆けつけた皆が目にしたものは、すでに苦しみでのた打ち回っている二人だった。
「珍!!」
「はい、昂極様!!」
昂老人が急いでアムイに再び“気”を封じる術をかけ、サクヤから引き離す。
一方の珍は急いでサクヤの元に駆けつけ、懐から取り出した小瓶の液体を、彼の口を無理にこじ開け流し込む。
そしてすぐに持っていた袋から緑色の特殊な布を取り出し、それで頭からサクヤをすっぽりと覆った。
「よし…、よしよし…。大丈夫だ…。いい子で大人しくするんだ…」
珍は布に包んだサクヤを抱きかかえると、落ち着かせるために繰り返しなだめるように言った。
もちろん、この場合サクヤもだが、中の虫に対してでもある。
「アムイ!しっかりするんじゃ!」
昂老人はそう叫びながら、ぐったりしているアムイを揺さぶった。
どうやらあまりにもの衝撃のせいで、気を失ってしまったらしい。
「だ、大丈夫ですか?二人は…」
心配そうに言うリシュオンに、昂老人は溜息をついた。
「何とかギリギリで間に合ったみたいじゃの。…このままだったら、虫の奴、毒素を出すところじゃった…」
「そうですね。まだ幼虫のようだから助かった。…でも…」
珍は抱きかかえたサクヤの呼吸が落ち着いてきたのを感じ取りながら呟いた。
「それにしても、昂極様から聞いたとおり、ただの穢れ虫ではありませんなぁ。
…この感じは幼虫でしょうが、目当ての好物にこんなにも貪欲な性質とは…」
「うむ、確かにじゃ。…わしも幼虫が好物を察知して反応するだろうとは予測しておったが、…“気”の封印も効かないとは。
しかも至近にてその簡易封印を簡単に破壊してしまうとは…。恐ろしい。どれだけ獰猛なのじゃ」
昂老人は苦々しくそう言ってアムイの顔を見た。よほどの衝撃だったのであろう。なかなか目が覚めない。
「とにかく急いで二人を安全な場所に!今の衝撃ですと、敵も感知した筈です」
セツカの言葉に昂は頷いた。
「わかった。皆、二人を連れて行くのを手伝っておくれ。早くしなければ奴らがここに来るやも知れん」
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南の宰相ティアン達一行がその場に駆けつけた時、もうすでに何もなかったかのようにひっそりとしていた。
「……取り逃がしましたか…」
ミカエルがボソッと言うと、それを受けてティアンは言った。
「……だが、あの男が無事に暁と接触したのは確かだ。微かにその波動の余韻が此処に残っている」
そして彼は顎に手をやると、じっと考え込んだ。
「しかし宰相。その“気”の波動も、此処でぶっつりと途絶えてしまっている…これは…」
ミカエルの言葉に、ティアンはふっと笑った。
「我らの虫に気がついた輩がいるという事だろう。もしくは誰か虫に詳しい奴が処理していったとしか考えられん。
…まぁ、そうだとしても、あの虫は私が作った虫だ。一筋縄ではいくまいて」
「…ということは、計画がばれているという事ですかね」
「ま、それも予想の範疇だ。…何せ暁の後ろにはあの昂の老いぼれがいるだろうからな」
「ああ…、だから移動の痕跡をうまく隠せたわけですね。だとすると、これからどうしますか?」
「隠密(スパイ)を使って、この一帯を探らせる。
…あの虫を体内に持っている人間を、そんな遠くには移動させられない筈だ。
探れば怪しい場所ぐらい出てくるだろう」
そしてティアンは一息つくと、いやらしい笑みを浮かべ、再びこう言った。
「それにもうすぐ満月だ…。月が現れる現れないは関係ないが、珍しく見事な月なら最高だな」
「宰相様…」
「そう。月が現れなくとも、満月という夜は必ず来る。…その時が見ものだな。
その夜が我々の最高のチャンスだ。案ずるな」
ミカエルはその言葉に、じっと黙り込んだ。
ティアンはそのミカエルの様子に面白そうな視線を送ると、次にその彼の後方で、同じく黙り込んでいるヘヴンに目を移した。
共に数名の兵士と共にやってきていたヘヴンは、先ほどから不機嫌そうに珍しく寡黙だった。
「随分と大人しいじゃないか、ヘヴン」
からかうようにティアンはヘヴンを見た。
「ご執心な暁に会えなくて残念だったな。…ま、お前も隠密同様、暁を捜したらどうか?
早く捜さないと、お前の暁はお前の嫌いな虫に食い潰されるかもしれんぞ?」
わざと挑発的に言うティアンに、ヘヴンはこめかみをひくつかせると、ぷいっとそのままその場を去ってしまった。
「宰相…」
眉根を寄せるミカエルに、ティアンは勢いよく笑った。
「いいじゃないか、ミカエル!あのヘヴンの暁への執念は利用する価値があるぞ。
少しでも行方を捜す人材は多い方がいいじゃないか」
そう高笑いするティアンを、ミカエルは不安げに見つめ、心の中で呟いた。
……利用か…。
その結果が悪い方へ転ばなければよいのだがな…。
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