暁の明星 宵の流星 #157
「やだなぁ、何泣いてんの、天下の【暁の明星】がさ。
意外と泣き虫だったんだねぇ。オレ知らなかったなぁ」
目の前の男にニヤリとされながら指摘され、思わずアムイは、自分の頬を手で触って確認した。
確かにいつの間にか、知らないうちに頬が涙で濡れている。
「…っば、馬鹿言うな!これはだなっ…」
と、アムイが赤くなって反論しようとした時、
ドゴォン!!
突然大きな音がして地面が割れたかと思うと、そこから無数の手が飛び出て、アムイを襲い、地に引きずり込もうとした。
「うぁあっ!」
「兄貴っ!」
サクヤはぶんっと銀の太刀を大きく振り回すと、地面から吹き出た亡者の手を白い閃光で焼いた。
「うぎゃぁー!」
「ひいぃーっ!」
白い炎に焼かれて悶絶している亡者からアムイを引き剥がし、サクヤはそのままアムイを引きずるようにして走り出した。
「サクヤ!」
「早く逃げるよ、兄貴!いつまでも此処にいたらマズイ」
アムイは素直にサクヤに引っ張られながら、薄暗闇を懸命に走った。
うぉぉぉ…。
先ほどと同じ、風に乗って後方から唸り声が追ってくる。
「…くそっ、しつこいな」
サクヤはそう呟くと、くるりと振り向き、もう一度銀の太刀を地面に奮った。
バリバリバリーッ!!
太刀から放たれた閃光が後方を走り、追ってきたと思われる多勢の亡者を攻撃した。
遠くからその亡者達の阿鼻叫喚の悲鳴が地を響かせる。
「す、凄いな…それ…」
思わずアムイはサクヤの握る太刀を見て呟いた。
「ああ、これ?」
サクヤはにっと笑うと、少し自慢そうにこう言った。
「必要ならば使え、と」
「へ?」
「冥府をうろうろしていたら、玉葱みたいな頭をした小鬼がくれた」
「玉葱みたいな…頭の小鬼?」
アムイの脳裏に、獄界の見張り役である、ずんぐりとして愛嬌のある餓鬼の姿が浮かんだ。
(まさか…な…)
「彷徨う悪しき念をなぎ払う、“白銀の太刀”だって。これ持ってると悪霊とか抑えられるんだって。
小鬼が言っていた」
「何でそのような太刀をお前に…」
思わず呟いたアムイに、サクヤはちょっと思わせぶりに笑って答えた。
「ある人がね、オレなら使いこなせるからって…」
「え…?」
再び問い質そうと口を開いたアムイを遮って、サクヤはざっと辺りを見回した。
「あれか」
突然一ヶ所に視線を定めると、サクヤは急いでアムイに言った。
「兄貴、ゆっくり話をしたいけど、とにかく時間が迫ってる。
いい?あそこで光っている切れ目に向かって走るよ。こうなったら強行突破だ」
意味もわからずアムイはサクヤに引っ張られると、とにかく前方で縦に亀裂の入った空間を目指して走り出した。
「サ、サクヤ…!!」
その途端、空間がぐにゃり、と歪んだ。
「早く!あの亀裂に突っ込むよ!」
歪み始めた空間全体が、悪しき亡者の数多の姿と化して、逃げ切ろうとする二人を襲って追いかけてくる。
悪霊に引きずられそうになるアムイを、サクヤはしっかりと支え、力強く誘導する。
まるで生前と立場が逆転してしまったようだ。
霊体でのサクヤの力は、アムイよりも数段も上だった。
「へへっ、気分いいねぇ。一度はこうして兄貴をオレ自身の力で護りたかったんだ。
いっつも、護られてれてばかりいたからね。
兄貴の役に立つ事、それがオレの望みでもあったからさ」
あの世に来て叶った…というようなニュアンスの言葉に、アムイの胸は切なさで痛んだ。
「サクヤ…、俺はっ…」
「ほら、飛び込むよ、兄貴。歯を食いしばって!!」
アムイはそのサクヤのパワーに護られて、目指す裂け目に飛び込んだ。
パリーン!!!
突如、視界が眩しくなって、気が付くと、ただ広い空間にアムイは転がっていた。
「サクヤ…?」
アムイはのろのろとその場に手を付いて身体を起こし、辺りを見回した。
「ここは…?」
目が慣れてくると、その周辺がはっきりと目の前に姿を現した。
まるで何処かの宮殿の大広間のように、凝った装飾をされた壁や天井がきらきらと静かな光を放っていて、床はつるりとした大理石のようで、それが延々と足元に広がっている。
呆然としていると、自分の後方で、ごうごうとした唸り声と様々な罵声がくぐもって聞こえているのに気が付いた。
「サクヤ!?」
アムイは反射的にその声がする方向に振り向いて驚いた。
その方向には、巨大な円形の扉が存在し、その扉を必死に閉じようと奮闘するサクヤの姿があったからだ。
重厚で見事な装飾が施された銀色の扉。サクヤの身の丈よりも3倍は大きく、その奮闘振りからかなりの重さと推察できる。
アムイの聞いた声は、閉めようとする扉とあいた空間から洩れ、しかも多数の亡者と思われる無数の手が、そこから出ようと隙間から飛び出そうとうごめいていたのだ。
彼はかなりの数であろう亡者…ここまでくると悪霊といっても過言でもない…に、かなり苦戦を強いられているようだった。
懸命に閉めようとするが、途中50センチくらいの所から頑として扉は動かないでいる。
そこから飛び出そうとうごめく悪霊達を押さえ込みながら、サクヤは小さく毒付いた。
「くそ、シツコイな!これじゃ埒が明かないじゃん。
しょーがない、結界でも張るかなぁ…」
「サ、サクヤ…」
呆然として近づくアムイに気が付いたサクヤは、一瞬手を止めて振り返った。
「やぁ、兄貴」
サクヤはアムイに身体を向けると、後ろ手に扉を必死で押さえながら思いっきり苦笑した。
「これは…」
「ああ、ちょっと待ってて、兄貴。今簡単に結界張るんで…」
いつもと変わらぬサクヤの当たり前のような態度に、アムイは彼が、もうこの世の者ではない事実をうっかり忘れてしまいそうになった。
サクヤは銀の太刀を左の手に出現させると、口の中で何やら呪文を唱えながらその太刀を扉の前で振り回した。
それが見えない結界となって、扉は中途半端に開いたまま、この場から遮断された。
出るに出られなくなった悪霊達の怒りの呻きが、扉の向こうから聞こえてくる。
「さぁ、行って」
「え?」
「ここに誘導してくれたのは、兄貴のお父さんだ。
ここは地獄界、冥界、そして人界の三界が同時に存在する結び目だ。
時間がない事を危惧して、無理に3つの世界の空間を結び、中間の空間に穴を開けて道を作った。
こうした事で三界の距離は互いに近接し、近距離で行き来できるようになるんだ。
凄いね、兄貴のお父さんって、この世界ではこういう事ができる立場の人だったんだね」
「父さんが…」
「だからここからなら、冥界を通らなくても、直接人界…元の世界に戻れる筈だ」
そうサクヤが説明した途端、バリン!とガラスの砕けたような音が響き、ドゴォ、ドン!と扉が前後に揺さぶられた。
「あちゃー、やっぱ駄目、か」
どうやら張った結界が取れかかっているらしい。
「ね?だから早く行って。ここはオレに任せて」
「でも…、そうしたらお前は…」
無理に作った空間の結び目。そのひとつである獄界の境目を完全に封じないと、そこから悪霊が抜け出して人界にでも出てこられたら大変な事になる。
この状況を見て、そんな事くらいアムイにだってわかる。
それをサクヤは一人で必死に食い止めようとしているのだ。
「お前一人置いて、俺がそんな事できるわけないじゃないか。
……ずっと…ずっと…俺はお前を護れなかった事を…どんなにか悔やんで…」
泣くまい、と思っていたが、そんなアムイの意に反して目から大きな涙の粒が零れた。
「兄貴…、お願いだからそうやって自分を責めないでくれよ。
オレがこうしてここにいる意味が無になっちまうじゃないか。
…オレが勝手にそうなったんだ。兄貴のせいじゃない」
「だけど、お前はオレを助けようとして…」
「あのね、兄貴。これはオレの運命で、使命だったんだよ。
…いや、そういう言い方が嫌だったら言い直す。
あれはオレの寿命だった。…天に定められた寿命。
だからオレは後悔していない。その寿命の最後の時を、兄貴のために使えたんだから」
「サクヤ…」
「でも本音を言うと、もうちょっとまだ生きて兄貴と一緒にいたかったなぁ。
約束…守れなくてゴメンね?それだけは謝りたかった…」
心なしか、サクヤの瞳も潤んでいた。
ガン!ゴゥン!
悪霊達の暴れ具合も増して、結界が弱まり、扉は今にでも開きそうだ。
サクヤは涙を振り払うかのように、思いっきり口元を引き締めると、突然アムイの頬を両手で挟んだ。
「サクヤ?」
サクヤはじっとアムイの目を見ると、にっこりしながらこう言った。
「兄貴、いいこと伝授してやるよ」
アムイは何事かと思って、サクヤの顔を凝視した。
「辛い時、苦しい時。特にそれが敵前であればあるほど。
それが人であれ、目に見えぬものであれ。
……笑え。どんな酷い状況でも笑顔となれ。
笑って対象を油断させる…。それが自分を守る武器となる」
「…!」
「“お前の笑顔はそれだけの破壊力がある。ここぞという時に使ってみろ”
…なんてね。これはある人の受け売りだけど」
と、ちょっとバツが悪そうにサクヤはぺろっと舌を出すと、恥ずかしそうに笑った。
「でも、本当だよ?兄貴の笑顔は厄害や不浄のもの、究極に悪しきものでさえ、吹き飛ばすほどの威力があるよ。
もっと自分を信じて。もっと自分の本当の力を認識して」
「…サクヤ、俺は…」
俯こうと目を伏せるアムイに、サクヤは彼の頬を軽くパチン、と叩いた。
「あーにきっ!もう時間がないからね?しっかりしてくれよ。
兄貴はもう気が付いているはずだ。
オレも兄貴も、いつだって一人じゃないことを。
兄貴が信じ求めれば、いつだってオレは兄貴の傍にいるからね。
…誰も兄貴を脅かす事はない。それが例え兄貴自身でさえも…。
宿命的に兄貴を孤独に置く事があっても、兄貴が望めば無数の想いと繋がる事ができる」
アムイの頬に光る涙を指で拭ってやりながら、サクヤは優しく断言した。
「だから失う事を恐れる必要は何もないんだ、兄貴の場合。
生死を越えて、兄貴は自分が望めばいつだって、こうして繋がる事ができる人なんだよ。
それを信じれば、【暁の明星】に恐れるものは何もない」
サクヤの自信溢れるその言葉に、アムイは全身に熱いものが駆け巡るのを感じていた。
嬉しい…。
アムイは素直に嬉しかった。心から感謝した。
失っていた自信が、サクヤの言葉によって呼び起こされていくのを。
「それにねぇ、兄貴みたいに中途半端な霊体じゃない分、ここじゃオレの方が強いから!心配ご無用ってんだ」
へへーんっ、と得意げに鼻を鳴らすサクヤに、アムイの気持ちも浮上した。
「言うじゃないか。生前で俺の要求も応えられなかったくせにさ」
「へ?」
気を取り直したアムイの相変わらずの軽口に、サクヤはきょとん、と目を丸くした。
「えっと…オレ、何か兄貴に要求されてたっ…け?」
その顔にアムイはぷっと吹き出すと、いつものごとく尊大に言い放った。
「俺の事を“兄貴”って呼ぶな!」
「ありゃ」
「何度言ったらお前はわかるんだよ。一回も俺を名前で呼ばないでさっさと死んじまって、どれだけ俺は…」
アムイの剣幕に、サクヤはまぁまぁと両手で制すると、ちょっと照れ臭そうにこう言った。
「……それはごめん…。まぁ、さ、それはオレにも心の準備っつーもんがあってね…」
ガダダン!!
物凄い音に二人はハッと我に返り、今の自分達の状況を思い出して顔を強張らせた。
「とにかく、ここはオレが守る。
そのために境の見張り番の証、白銀の太刀を貰い受けたんだ。
心配しないで。オレを信じて元の世界に戻ってくれ」
「サクヤ、お前はまさか…」
まさかサクヤは最初から、自分がこういう立場になると知っていたのではないか…?
ふと、アムイはそんな気がしてならなかった。
最初から、この世界の結び目を作り、それを見張る門番が必要で、その役目を…。
「兄貴!よく聞いて!このまま反対方向に走って。
絶対後ろを…オレの方を見ちゃいけないよ。わかったね」
「でも、そうしたらお前はこの結び目で一人に…」
まだ心が揺れ動いているアムイに、サクヤはきっぱりと嗜めた。
「兄貴には、貴方を待っている大事な人がいるでしょう!
オレの事なら大丈夫。…ここにいれば、いつだってオレは兄貴の近くにいられるから」
「サクヤ、お前…」
サクヤは再び白銀の太刀を手に握ると、今にでも壊されそうな勢いの扉に立ちはだかった。
「サクヤ!」
「早く!もう時間がないよ、兄貴。もたもたしていたら魂が肉体に戻れなくなる!」
扉を太刀の光で押さえ込みながら、サクヤは顔だけアムイに向け、切なそうに笑った。
「兄貴が……人界での務めを果たして天に帰る時になったら、その時ついでにオレを迎えに来てくれればいい。
……そしたら一緒に…天に帰ろう、兄貴。それまで、オレはここで待っているから」
アムイは無言で頷いた。もちろん、必ず迎えに来るとも…。
そう言ってやりたかったのに、どうも上手く言葉が出ない。
だが、サクヤにはアムイの気持ちがよく伝わっていた。
彼はふっと安心したように笑うと、小さく呟いた。
「…兄貴が…本来の場所に戻り、本来の自分を取り戻したら…」
「サクヤ…」
「……名前で呼ぶよ」
最後は本当に消え入るような小さな声だった。
だけど、アムイにはしっかりとサクヤの気持ちが届いていた。
ガガガーン!!
「お前らの好きにさせねぇ!覚悟しろ!!」
サクヤはそう叫ぶと、果敢に扉に向かって行った。
「サクヤ!」
するとアムイの邪魔をするかのように、ごぉぉ、と唸るような風が起こり、彼の視界を遮った。
『走れ』
目を開けようとするアムイの頭上で言葉が響いた。
『こっちに走れ、アムイ』
それはもちろん、父アマトの声だ。
アムイは半分視界を遮られながらも、声のする方に走り出した。
『急げ、こっちだ』
アムイは父の声に誘導されながら、吹きすさぶ嵐のような風を潜り抜け、静かで穏やかな場所に出るまで走り続けた。
...........................................................................................................................................................................................
「やっぱり綺麗な満月だ」
皆が寝静まった後、キイは眠れなくてふらりと森を散策していた。
こんな所を他の人間に見られたら、大目玉を食らいそうであったが、“気”も封印されているし、ほんの少しだけだから、と、皆が野宿している場所から、ちょっと離れた場所で月を見ていた。
煌々と明るい月。
この山林にひっそりと存在した数ヶ所の小さな洞穴。人が一人か二人しか入れないその場所で、それぞれ皆は別れて野宿していた。
今、アムイの身体は交代でイェンランが見ていてくれている。
もう少ししたら代わってやらないと、とキイはぼんやりと思っていた。
あまり彼女に負担をかけても申し訳ない。
あれ以来、イェンランとは話す機会がないまま、ここまで来てしまった。
キイとて、あんな怖い思いまでさせたことを、酷く後悔していた。
だったらそんな事するな、という話だが、どうも彼女だといつものポーカーフェイスな調子が出てこない。
いや、彼女にああいう事を言われるまでは、まだ自制心は働いていたのだ。
いくらこの少女が、アムイと共通点があろうとも…いや、アムイとの共通項をいくつか見つけようが、彼女はまだ小さな女の子、と懸命に言い聞かせていたからだ。
「この俺様がなぁ…。女の子に心を乱されるとはね…」
自虐的に呟いて、キイは力なくははっと笑った。
黒い髪で黒い瞳。怯えた大きな目が、アムイの幼少の頃に重なった。
多分あの時から、イェンランの事は気になっていたのだと思う。
あの時自分が自由な身だったら…。
キイは今でもそう悔やんでいる。
そうしたら、彼女を自由にさせてやれたかもしれない。あのような生きた地獄に戻さなくて済んだかもしれない…。
《問題はこれから。お嬢だってアンタと出会わなければ、今がなかったわけでしょう?
あの子はアンタと違って後悔なんかしていないわよ。……強い子よ…》
シータの言葉が身に染みる。
そうなのだ。もう済んでしまった事なのだ。
自分よりも彼女の方が、前を向いている分強い。
キイは彼女ともう一度話をした方がいいだろう、と思った。
やはりこうして気まずいままではいたくない。
キイはう~ん、と背伸びをした。
まだもう少し。
こうして月の光を存分に浴びてから、彼女に会いに行こう…。
キイはそう思ってその場に座って目を閉じた。
しばしの安息…。
だがそれが嵐の前の静けさである事を、今のキイはまだ気が付いていなかった。
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
kayanさんの冥界、獄界、登場する者達の世界観や道理の世界に圧巻させられました。
まるで全ての羅漢を観ているみたいで素晴らしいです。
1話から読み進めてきて貴品の中にはいきなりスッと大事な要となる言葉が作中にこれまでも何度も登場してじっくり呼んでいて何度も感動したり人生の学びを得たり共感したりとしていたのですが、アムイが自分で落ちた世界からの全ての場面がまた素晴らしくて、物語の真髄がここにも!
これからも大切に読ませていただきたく思います。そしてキイとのことも全ての登場人物のことも鮮明に心にあって、きっと「暁の明星 宵の流星」は私の生涯留めておきたい心の書になると思います。
人としても人だからこそ紆余曲折しながらも確実に進んで行く人生の物語、応援しています!
投稿: pega | 2013年1月30日 (水) 午後 05時32分
pega さん
またまた感想ありがとうございます。
というか、コメント読ませていただいて、嬉しさと羞恥でのたうちまわってしまいました……。
いやいや、まだ精進足りない自分には、本当にもったいないほどのお言葉です。ありがとうございます。
このような感想をいただけるとは思ってもいませんでした。
本当のところ、物語上に霊界やら地獄やらを持っていくのは如何なものかと思っておりましたので……。もっと現実に沿った話を紡いだほうがよいのではないかと思いつつ、結局本能のままにこういう展開を入れ込んでしまい、読まれた方の反応が特に気になっていた部分です。
安易にそういう展開はどうか、と。しかも地獄という非現実とも言える場所を、延々と話を紡いでいいのかとも、正直迷っていた部分です。
それでも誘惑に抗えなくて、かなり詳しく地獄篇、書いてしまいました。書いてて実はとても楽しかったんですけど(笑)
それを評価していただいて本当に嬉しいです。
結局地上(現実)に戻ってしまえば、時間が経つと共にそれは夢なのかもしれないという朧気な記憶。アムイもきっとそうなっていくでしょう。でもアムイが地獄、というところに落ちて、どういう経験をしてきたかを詳細に書きたかった。だからこのお話が意外に長くなってしまった要因です。
この部分は長くなってしまったために、新たに章を設けることにしました。それだけ力を入れてしまって構成ミスの原因となった部分です。
心の書、とまで言っていただいて、本当に光栄です。
まだまだな自分にはもったいないくらいのお言葉です。
そのご期待にそえるようにこれからも精進していきたいと思います。
……ご満足いただける内容になればいいのですが……(汗)
とにかく長くなってしまったお話です。
どうかこれからもよろしくお願いします。
投稿: kayan | 2013年1月31日 (木) 午前 10時04分