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2012年12月

2012年12月23日 (日)

暁の明星 宵の流星 ♯183

「ジース・ガラム、しっかりなさい」

素早く耳打ちしたセツカの声に、ぼうっとしていたガラムはやっと我に返った。
気がつくと、目の前にあれだけ仇だと憎んでいた男の姿があった。

ガラムは久方に見るアムイを、じっと観察する。

──こいつ、こんな男だったっけ??

目の前の男は、さすがに昔とは違ってかなり大人びて落ち着いた印象になっていた。
自分の知っていた彼は、いつもピリピリと神経を尖らせて人を寄せ付けない、嫌な感じがする男だった。
その“嫌な奴”が最愛の姉の庇護の中、ユナの砦で生きている事自体、ガラムには不快極まりない事であった。

何回、姉に問いただしただろう。
『なんでよそ者のこいつを助けるの?』
『姉さんやめてよ!こんな事したら、姉さんが処罰されてしまうよ?!』
『ね、義兄さん達に相談しよう。ううん、早く司令官に引き渡してしまえばいい』

毎回同じ事を訴えるたびに、明るい笑みを返した姉。

『お願いだよ、姉さん……、こんな事がばれたら、流刑地に送られちゃうよ……』
そう言って泣くたびに、姉は優しく宥めるようにこう言った。
『私の事は心配しなくていいのよ。彼は重傷を負っているの。……彼が回復したら、もちろん砦に話すわよ。
それまでは内緒ね?』


「あの時は、世話になった……」
ポツリと目の前の男が口を開いた。まるで今まで泣いていたかのように、声が掠れている感じがするのは気のせいだろうか。
ガラムは背の高い相手に合わせて恐る恐る顔を上げた。
アムイの黒い双眸と自分の緑の目が交わった瞬間、思わず息を呑む。
(何て目で、俺を見る……!)
どう説明したらいいのかわからない。
アムイの深い漆黒のような瞳は、悲しみを帯びているだけではなく、まるで慈しむような、見ているだけで感情を揺さぶられるような色合いを湛えていたのだ。
「……あの時、君と君の姉さんが、傷を負って波打ち際に倒れていたのを見つけて助けてくれなかったら……。今の俺はここにはいないだろう。
本当にあの時は……感謝してもしきれないくらいの恩をもらったのに。
なのに礼も言わず、彼女の好意に甘えるまま逃げ去ってしまった……。後で君から彼女が亡くなったと聞いて、本当に申し訳ないことをしたと……。すまなかった」
まさかいきなり謝罪の言葉を耳にするとは思わなかった。ガラムは大きな目をますます見開き、じわりと潤みそうになる瞳を誤魔化すために数回瞬(まばた)きした。
「……俺……サクヤに宣言したんだ…お前と、ちゃんと話すって」
やっと出てきた言葉はこれだった。アムイは小さく「うん」とつぶやくと、ふっといとおしむような視線を遠くへとやった。
これだけで、アムイにとってのサクヤがどういう存在だったのかを、ガラムはまざまざと思い知った。

その視線の先に、サクヤがいる……そんな錯覚をしてしまいそうなほど、この男の中では彼は死んでなどいないんだ。
──そう思うと今度こそ本当に涙がこぼれてきそうだった。

サクヤが死んだ時、アムイはまるで彼を追うようにして意識をなくした。それだけ彼の死がアムイに落とした影は強烈だったろう。傍から見ていた自分達でさえ、よくわかったくらいだから。
今、サクヤが二人の間で、優しく微笑んでいるような気がしてならない。…ガラムとしては、サクヤとの約束を守れたという安堵の気持ちがそう思わせているのだと思っていたけれど……。

実際、アムイの傍には珍しくサクヤの存在があった。アムイ以外見ることはできないが。
ただ、それを言うと皆が動揺するかもしれないので黙っているだけだ。
近くにいるにはいるが、いつもは境の番で忙しいのか滅多に存在自体をアムイに見せることのないサクヤだ。それが今、含み笑いしながらガラムの周辺で漂っている。
(おい、そんなに嬉しいのか、サクヤ)
二人の間にどんな会話があったかは知らない。ただサクヤの状態を見れば、ガラムが自身の言葉に従ってここに来てくれたという状況に喜びを隠せないでいるのだけはわかる。その心の奥底では、自分の方は約束を守ってあげれなかったという後悔の念もちらほらと感じるのだが……。

「こうしてゆっくりとお話できるのも初めてかと思います。…【暁の明星】殿、私はユナの長(おさ)ダン=ユネスの側近、セツカ=ロゥワ。突然のご無礼をお許し下さい」
唐突にそう言って彼は優雅に独特の手印を結び、恭しくもアムイにユナ式のお辞儀をした。
普段から礼儀を欠かさないセツカではあるが、いくらセドの王子付きの人間とはいえ、彼がよそ者に対して正式な敬意を表す礼をしたのにガラムは驚いた。
「こちらに伺ったのは、どうしてもお伝えしなければならない事と、確認しなければならない事がありまして……」
「ロータスの件で……。レツが俺に会いに来るんだろう?」
動揺もせず当たり前のように言うアムイに、ユナの二人は息を呑んだ。
「…ええ、確かに、私達が貴方に話す事といったら…それしかありませんが。
レツが、貴方に対し、その、かなり……」
相手のあまりにも落ち着いている態度に、かえってセツカは歯切れが悪くなる。何だろうか、この感じ。まるで何もかも見通しているような……。
「殺したいほど憎んでいる?」
はっきりと言ったアムイに、その場の空気がピン、と張り詰めた。
「それは俺がロータスを直接殺したということではなく、彼女の死に深く関係しているからだ」
淡々としたアムイの言葉に、ユナの二人は身を固くする。
「……貴方は…」
「単刀直入に言おう。
俺は彼女を殺してはいない。……処刑寸前だった俺を、危険も顧みず逃がしてくれた。その恩人を、俺が殺めるはずがない。
俺の言葉を信じてくれるか?」
感情の起伏を感じさせないのに、この威圧感は何だろう……。
本当にこの男は、四年前のあの男なのだろうか。ガラムは隣のセツカをちらりと盗み見た。珍しい事にセツカもまた、ガラム同様アムイの存在に圧倒されている。
セツカはほんのしばらくアムイの表情を窺(うかが)っていたが、一瞬キイの方へ目を走らせた。キイが軽く頷くのを見て取ると、再び視線をアムイに移す。
「もちろん、信じます。……実は、彼女の死については、この四年の間、密かにユナの中枢で調査が行われていました」
その言葉に今度はガラムが驚いてセツカを見上げた。
道中、簡単な事情を説明してくれたが、状況証拠だけでは判断できないとして処理した筈の事件を、中枢部が内密に調査していたなんて話は聞いていなかった。
姉の死は謎のまま放って置かれているとずっと思っていた。だからこそガラムはアムイを犯人と決め付け、成人になるまで仇を討つのを待ったのだ。長である父が、いやユナの中枢部ができないのなら、自分が姉の無念を晴らそうと……。
「そしてとうとう調査結果がまとまったと、先日、緊急に私の元に文書が届きました。…長の勅令と共に」
「勅令?」
「……はい。【暁の明星】の命を守れ、という命令です」
セツカのその言葉に大きく息を吐いたのは、アムイではなくキイだった。
「なるほどね。……前にあんたが言っていた、俺に聞きたい事って……やはりあれか」
腕を組みながらキイはセツカに向き直った。
セツカはキイの鋭い眼差しに一瞬顔をこわばらせ、隣のガラムはその意が読めずにきょとんとしている。
意を決したセツカは突然キイの前に跪き、深々と頭を垂れた。
そんな彼の行動に、ガラムも周りも驚きを隠せない。……ただ、キイとアムイ、この二人だけが顔色も変えず、淡々とセツカを見下ろしているだけだ。

明け方の、しんと静まり返った宿の玄関ホールで、ユナの二人とアムイとキイ、そしてシータが張り詰めた空気の中にいた。そしてその空気を察知し、いつでも行動できるように仕度を済ました昂老人とイェンランが、近くの階段の下で待機していた。
ビリビリとした緊張の中、しばしの沈黙の後にセツカは重い口を開く。

「我が敬愛するセドナダの王子よ。どうか真実のお言葉をいただきたい。
……セド王国アマト元王太子殿下のもう一人のご子息は、そこにおられる暁の君であられるか、否か」

静かに放たれるその問いに、何も知らなかったガラムだけが衝撃を受けていた。

「いかにも」

これまたもったいぶって、だが厳かに、セド王国最後の王子と認識されたキイ・ルセイ=セドナダが宣言する。


「女神の御名にかけて宣言する。
ここにいる【暁の明星】は、亡きアマト元王太子の第二子であり、我が弟、アムイ=セドナダぞ。
この者こそ、真実のセド王国最後の王子である」


「……何か仰々し過ぎて、ものすごーく気恥しいのだが」
アムイはぼそりと面白くなさそうに呟いた。が、キイは“んなこと関係ない”とでも言うようにアムイを制し、何でだかえらく得意げになっている。
「いいんだよ、いいの!こういうものはさ、仰々しくしてなんぼ、っていうもんじゃん」
「……そういうもんなの?」
傍で聞いていたシータもぼそっと声を漏らす。
「ユナの幹部がセドの王子としての俺に正式に確証を求めたんだ。こちらとしてもきちんとせ・い・し・きに答えなければ失礼ってもんだろ?
俺様としてはもっと重々しくしてもよかったんだけどさー。いざこうして宣言するとなると今まで考えていた文句がすっ飛んじゃうもんだねぇ」

おい……、何だ、その今まで考えていた文句って……。

アムイは困惑気味に隣へと目を移し、キイの嬉しそうな顔を見てはっとした。
(もしかして本当はこいつ、俺の素性を皆の前で正々堂々と言いたかったんじゃなかろうか──)

あれだけ他所に漏らすな、と口煩く言っていた反動でもあるのか。
何だかアムイがセドの王子だということを、これ見よがしに自慢するような態度だ。
今まで父親から受けた血筋の事実は、お互い禁忌として受け止めてきた事は確かである。
何せセドナダ王家のしかも直系という事実は、当時は父親のアマトだけの問題であって、その事に関係なく育てられた自分達には、はっきり言って王族であるという実感すらなかった。それは親ができるだけ二人を普通に育てたかった、という事もあり、諸外国の王族の後継者のように生まれながらに王となる教育……つまり帝王学なるものすら叩き込まれてなどいない。
そしてもちろん、王族としての誇りや立場などの諸々の自覚すら無きに等しい二人だった。
結局は自分達以外、セドの直系が絶えてしまったので、その分神王の血筋だという事実だけが重く圧し掛かるようになってしまった。
特にその原因の一端が自分達も深く関わっているとしたら尚更だ。
アムイ自身は自分の身の上が煩わしく忘れてしまいたい事実であったとしても、異母兄であり元王太子の第一子でもあるキイにとっては、この長い年月で色々と思う事が山のようにあったようである。
その証に、セドの王子として世間に知れ渡り始めてから、微妙ではあるがキイの態度に変化が見える。
まるで機が熟すのを待ってました、とばかりの王族としての自覚らしいものが現れてくるようになり……。

アムイは目を閉じた。
この王族であるという事実に……逃げてばかりではいけないという、キイの無言な圧力をひしひしと感じてしまったからだ。

キイは……本気だ。
本気で父の祖国を復興させるつもりだ……。

だがそれもどこまでどのように考えているのか、今のキイは口が重く、深い話を聞いた事がない。
だから結局アムイの憶測でしかないわけだが、長年共に過ごし、同じ境遇で、魂の片割れと信じ、唯一無二の存在であるキイだからこそ、きっと自分の考えは当たっているはずだ。
細かい思惑はまだ計り知れないが、あのキイの事だ。時期が来れば全てを明かしてくれるだろう。
……キイが自分に隠し事をしていた事……寿命の件も、もとはといえば壊れかけたアムイを救うためであった。だからこそ、半身であるキイを無条件で信用する自分がいる。一時、キイを恨みがましく思ったとしても、キイが考えなしで自分を貶めるわけがないと確信しているからだ。

今更ながらに、キイの自分への深い愛情を感じる。
しかし当の自分こそ、彼にその愛を返せているのだろうか?
否、自分はずっと守られているばかりだ。
常に感じていることだが、キイを守ろうとする気持ちは他人よりも強固であるくせに、結局はその当人に守られている感を否めない。
でもこれからは。自分の足でしっかりと大地に立ち、どんな苦境や障害も、逃げることなく真っ直ぐに立ち向かうのだ。
それがきっとキイの望んでいる事だ。

アムイはこれから先、キイの思惑が明るみになり、それがどんな要望であろうが何でも受け止めるつもりでいた。
そう。今まで彼の特殊な“気”を常に受けて来たように。


「なぁなぁ、最後の王子って呼び方、何か希少価値があってゾクゾクしねぇ?」
真面目にそう考えていたアムイの耳に、いつものおちゃらけたようなキイのはしゃぐ声が飛び込んできて、がくっと脱力する。
そんなアムイを無視してキイは非常にご機嫌麗しい。
「あー、早く大陸全土に俺のアムイが神王の直系だって言いふらしたいっ!もっとこう、痺れるような科白ってないかねぇ?
そうそうこういうのはどうだ?
大陸を席巻する無法者、しかしてその実体は!最強にして最高の武人【暁の明星】こそ、失われた神の国の最後の王子……。いいねぇ、浪漫だ」
「冒険小説に毒され過ぎ。なーにが、浪漫、よ!
アンタそんなんでいいの?今まで必死に隠してきたんじゃないの?
……そーんな軽いものだったわけっ?」
「いでっ」
シータが呆れてキイの後頭部を思い切り叩く。その光景にユナの二人は心臓が止まるほどに驚いた。
まかりなりにも──セドの王子に……。
青くなったユナの二人に気がついたシータは、一瞬あら、という顔をすると、にっこりと笑って見せた。
「大丈夫!今のこれはただの兄馬鹿だから!それに神王の直系って事実はあっても実際はお国がないから。
だから今はそんなにかしこまるような大層なもんじゃないの」
「お前、俺にそういうことを言うのかよ!ちょっと言い過ぎじゃねえの?」
頭をさすりながら、涙目になってキイはシータを睨みつける。シータはふふん、と鼻を鳴らす。
「本当の事を言って何が悪いの?確かにアンタは今渦中の人だわよ。
だからこそアンタがこの状況下で、それを何かに利用しようとしているだろうなんて事、アタシにだってわかる。……アンタの事だからきっと綿密な筋書きくらいあるでしょうよ。さっきの宣言だって大袈裟かな~とは思ったけどさ。えらく立派になったもんだと感慨に耽って、見直していたところだったのに……」

いつもながら鋭い事をさらりと言う。
アムイは長年シータを知っているが、彼が自分達の事をどこまで理解しているのか、たまに恐ろしくなる時がある。それだけ彼の何気ない言葉はいつも核心を衝(つ)いていた。考えれば昔から謎の多い人だった事を思い出す。
彼の出身は西の国も南寄りにある山村だったという事、家は昔から木こりをしていて、ずっと森の中で育ったという事。それしか知らなかったのを思い出した。まぁ、アムイだけかもしれない。その当時はほとんど、他人の事など目に入っていなかったのだから。
それに本人の許しなく、勝手に探る気などアムイには毛頭ない。

ぶつぶつと文句を言っていたシータは一瞬息を止めると、わざとらしい溜息を思いっきり吐いた。
「親馬鹿ならぬ兄馬鹿ぶりを意気揚々と発揮しているんじゃないわよ」
「何だよ!兄馬鹿のどこが悪いのよ!あ、お前もしかしたらヤキモチやいてる?俺がアムイを溺愛してるから……」
「ぜっったいない!」
いつもの事ながら二人のやり取りはこちらが恥ずかしくなる。アムイはちょっと疲れた溜息をひとつ漏らした。
今はそんなじゃれあいをしている場合じゃないだろうに。

「二人ともやめろよ。彼らが困惑してるじゃないか」
いつになく冷ややかなアムイの声に、キイとシータはピタッと静かになった。こういう時のアムイは気難しくなって後が大変なのだ。それは長い付き合いの二人だからこそよくわかっている。

最初は驚いていたセツカであるが、持ち前の好奇心と洞察力で目の前の成り行きを観察し、思わず口の端に笑みを浮かべた。
どうも目を引く派手な【宵の流星】の影に、つい隠れてしまいそうな【暁の明星】ではあるが、本当は見えないところで手綱を握っているのではないか、と思えて仕方がない。
(まるで猛獣使い?)
その考えに到達したセツカは笑い出しそうになるのを必死で堪えた。
セツカとしては、正式にセドの王子から正式な宣言を貰ってほっとしていた事もあり、少し余裕がでてきたみたいだ。
しかし、ガラムの方といえば茫然自失、そして倒れるのではないか、と思うほどに蒼白だった。
「どういうこと?……暁が…セドの王子……って──」
混乱しているガラムに気付いたセツカが、気を引き締めてゆっくりと立ち上がると、動揺を隠せない若きジースに説明する。
「全ては、この極秘機密が関係していたのです……。
これで、正式にセドの王子と認定されている宵の君から、真実のお言葉を戴いて確定した。
──暁の君が、太陽の王子の隠された御子だという事が」
「もしかしてセツカは…その確定を取る為に、宵の君の元へ……」
ガラムの呟きにセツカは大きく頷いた。
「この確証が一番欲しかった。長の方の本当のご命令はこの件でした。
確定さえいただければ、ロータスの件も公にできる」
「じゃあ、何も知らなかった事とはいえ…もしあの時暁を処刑なんてしていたら……」
ぶるっと悪寒がガラムの全身を襲った。
ユナを救った神王の直系を……。しかも国が崩壊してしまったからこそ、貴重な人材ともいえる人間を……。知らなかったといえ、安易によそ者だからと抹殺しようとしていたのか。
ユネス家の、恩を受けた側の直系である自分だからこそ、未遂であれこの無知なる行いが大それた事だと先祖の血が訴えているのがわかる。その証に全身の震えが止めようにも止められない。
と、いうことはまさか──。まさか姉さんは。
「……よくアムイがセドの王子だと気がついたな」
キイの問いに、セツカは説明した。
「……前にもお話したとおり、十八年ほど前、アマト元王太子殿下がユナの島に突然お忍びでいらっしゃいました」
「十八年…前だと?」
「はい。セドの王国が壊滅する……一週間ほど前かと記憶しています」
キイとアムイは思わず互いの顔を見合わせた。
今、何て言った?
セドの…国が壊滅する……一週間ほど…前?
何の用件で父アマトはユナの島に……。

当惑している二人に、セツカの更なる説明が続く。

「その時、アマト元王太子殿下に接見し、会話をしたのは、長のダンと、私を入れての側近数名……。
そして────実はロータスもその時に殿下にお会いしていました。
だから彼女は、幼いながらも殿下のお顔を直に拝見していたひとりだったのです」

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2012年12月 9日 (日)

暁の明星 宵の流星 ♯182

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【お詫び】
更新が遅くなりまして大変申し訳ございません。
ここで、皆様にお詫びを。
前回で呟きましたように、現在更新中の内容を大幅に略する事になりまして
#181までのお話からいきなり飛ぶような形となります事をどうかお許し下さい。
この、ロータス(ユナ編)のお話の詳細は、機会がありましたら番外編という形で発表いたします。
…書き手の至らなさで大変申し訳ありません。
なるべく話がわかるように展開していくつもりです。
何せ、ロータスのお話は考えれば考えるほどに膨らみすぎて
こちらがメイン?か?と、自分自身でもびっくらこいているくらいでして。
………とにかく、少女の頃から彼女は激しくレツに恋していた、という事実だけ覚えていていただければ幸いです。


現在、某投稿小説サイト(R18)に投稿準備中
……あまりにものハードルの高さに眩暈を感じ、気持ちが萎えそうです……。
(大丈夫か、おいっ)

それでは急に飛びますが(滝汗)
#182をお送りいたします。
内容としては#175の続き、と思って下さい。


バナーを作ってみました。今、無料でここまでできるんですねぇ…。すごい。
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Yoitoakatuki_2

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窓から差す星明かりが、夜はまだ深いという事を示していた。
気がつくと、自分の枕元で女の影がゆらめいている。
これで何度目だろう?
女はいつも自分の視界の中、哀しげな表情でじっとこちらを見ているばかりだった。
そう、いつも何か言いたげなのに、その言葉は自分には届かない……。
そんなもどかしい日を幾つも重ねてきていたが。

この夜は違っていた。

寒さが増していく北の国では、今夜かなり冷え込むだろうと皆が話していた。
そのせいだろうか、キーンとした張り詰めた清浄な空気が肌の感覚を研ぎ澄まさせ、自分の中の余分なものが浄化されていく感覚を覚える。おかげでいつになく神経がむき出しのようになり、己の五感が鋭敏になっていた。

だから。
きっと彼女の波動と繋がる事ができたのだと思う。

≪アムイ…≫

懐かしい声は空気を伝ってではなく、頭に直接届いた。

≪……ロータス…か…?≫

自分の名を呼ばれたアムイもまた、心の中で懐かしい彼女の名を呼んだ。

ロータスの懸命な様子は、どうしても今、自分に何かを伝えたいというもので、それでアムイは合点した。
彼女のいつになく切羽詰った波動が、今の繋がりやすい環境を作ったのだと。
自分に何かを伝えるがために、彼女は異空間同士の回路を繫ごうと必死だったに違いない。
もうすでに肉体のある者とそうでない者。同じ空間にいても次元が違う場所に存在している二人。
発している者以上に、受ける側にも波動を合わせる必要がある。それを知らずにできる者もいれば、訓練によってできる者もいるだろう。

彼女は今までずっと、アムイの元へ飛んではこうして訴え続けていたのかもしれない。
アムイの霊的な能力の開眼。そして今夜の澄んだ空気の凝縮。
これが執拗な彼女の訴えで波動が強まり、自分との回路を繫ぐきっかけとなった。

ここまでくればあとは同調する事に専念すればいい。

≪……君が…酷い死に方をした、というのはガラムから聞いた。…だからだろ?君が俺のところに現れるのは≫

アムイは心の中で呟きながら、寝床から上半身を起こし、ゆっくりと後方を振りかえった。
顔を上げると目の前に彼女の泣きそうな顔が薄ぼんやりと目に入る。
霊体の彼女はずっとずっと謝罪の言葉を口にしていた。
それはアムイを心配しての事と、自分のせいで親しい人間の人生を狂わせてしまった事への罪の意識が強いように感じた。


アムイは彼女に対し体ごと正面に向き直ると、背筋を伸ばしてきちんと正座した。
気持ちを静め、ロータスの全てに向き合うために。


ここ何日かは、アムイは誰とも同室しなかった。
毎夜添い寝してくれるキイでさえも、最近では共に就寝する機会が減っている。

それはアムイ自身がそう望んだからだ。

獄界から生還して、アムイにかなりの変化が訪れていたのは皆も周知の事実だった。
涙腺の復活に伴って、昂(こう)老人が提案したのがきっかけだ。
『涙は魂の浄化の手段じゃ。どんどん流して心の濁りを洗い流してみては、のぅ?』
ならば、と、アムイは一人になる時間を欲した。
アムイの魂(たま)の浄化が最終に差し掛かっているのを、一番近くでまざまざと感じていたキイも同意した。
過去の記憶、恐怖の源、それが夢になって襲い掛かる事もあれば、突然心の底から湧き上がってくる事もある。そのつど決壊したかのように涙が止めなく溢れ出す。今までの枯渇を潤すがごとく。
とにかく大の男が、このような姿を他に晒すのはひどく居た堪れない。いくら身内のキイであれ。

だが、実はそれだけではなかった。
毎夜寝る頃になると無意識の内に他所の世界と通じる回路が開く事もあった。
すると自分の周りにこの世のものではない異形のものやら形のない思念が飛び交い、それらと戦うのに大変なのだ。
こんな状態を、普通の感覚の人間に見られるのも申し訳ない。
まぁ、その度に境目の番人をしていてくれるサクヤが出てきて結界を張ってくれるのだけども。

今回のロータスとの接触も、多分サクヤのチェックが入っているはずだ。
今更ながらに気がつくと、自分と彼女のいる空間が、他のものが入れないように気付かれない程の結界が張られている。
ということは、サクヤの奴のお許しが出ている、ということだ。
しかも魔のものなどにも邪魔されないようになのか、控えめのくせにいつもよりも強固に結界が施され、完全に外部と遮断されていた。

……その深い意味はあえて目を瞑った。
このような事はサクヤの方が専門だ。つまり、自分は心置きなく、もちろん外部に煩わされる事なく、霊(エネルギー)体の彼女と交信できるわけだ。

≪心配いらない、ここには俺と君だけだ。
……わずかな時間しかないと思うが、伝えたい事は全て話してくれ。そして教えて欲しい。
俺は君の為に何ができるのかを≫

そう、あの時。自分の命を救ってくれた、その恩を返すのは今なのだろう。
自分の推測が正しければ、彼女の死は充分に自分が関与している。ならば彼女の思いや願いを叶えるのが道理だとアムイは思う。もうすでに、彼女がこの世にいないのならば尚更に。


ロータスの唇が震え、まるで言葉を発しているかのように動き始める。
それは思念となってアムイの心に響き、彼女の全ての思いの丈がアムイの頭に流れ込んできた。

≪ああ、私は≫

残像のように儚いロータスの姿。その表情が悲しみに歪む。
実体のない空虚な映像───。まるで立体の映像を見ているかのようだ。
全てを語り尽くした彼女が最後。溜息と共に出てきた言葉がこれだった。


≪……後悔、して る──≫

アムイは目を閉じた。

彼女の今までの人生を知って、いつの間にか自分も涙を流していた。

彼女は。
“彼”のために模範的なユナの女として生きる事を決めた。

そしてその願いは叶えられ、“彼”は彼女の最初の男となり、そして彼女の夫の内のひとりとなった。

そこまでに彼女が辿った経緯に、何と言葉をかけてあげればいいのか、アムイにはわからなかった。
だって自分はユナの民ではないから。彼女の住んでいた世界は、やはり大陸育ちのアムイには理解できない所がある。


模範的なユナの女──。
結局それが最後まで彼女を苦しめていたのだけはわかった。

彼女は最後の最後まで。
ユナの掟を守って死んだ。
本人も死の間際までそう信じていた。

ユナの女を殺すことは一族ではもっとも重い罪となる。そして女も自らを殺めてはいけないという掟がある。
希少な女は子が生めない者であってもユナの宝。
だからユナの女を殺した者は同じようにして死をもって罪を購わなければならない。
それが直接であれ、間接的であれ─。

これが通常のユナの掟。

だけど、最優良を取って、成人の中で模範的で最高のユナの女と認められた彼女には、恩恵と引き換えに、生涯妻として母としてユナのために夫のために尽くさなければならないという、ユナとの誓約を強いられた。

最優良を取ったご褒美に、想っている男との初夜を。
そして模範的な女として生きるために許されたたった一つの自由─。
女としての誇りのために使える唯一の特待。

──自分の誇りのために自害できる、という究極の許し─を。

基本ユナ族では、自害は不名誉であるという風潮があった。
特に中枢部、長の方(おさのかた)の周辺、頂点を守護する者は絶対に許されない行為である。
ユナの信仰する宇宙の大樹(そらのたいじゅ)から恩恵を受けている命を無駄にしてはならないというその教えに、自らを殺すと言う行為は大樹の恵みに反逆するものと同等に考えられていた。
大樹の恵みで生かされている自分を、自分の勝手で断ち切ってはならない。
ユナ人の命は大樹のものであり、死なせなければならない時は、大樹の申し子(長、神官などに)に許しをもらって彼らの聖剣に委ねるのが一番の名誉で恩恵でもあった。
罪人はその罪の重さによって、手にかけられる人間が変わる。
だからこそ特に戦士は大樹の申し子の手にかかって死にたがった。彼らの許しなく、勝手に死んではいけないからだ。
もちろん戦いによる死は、名誉の死として大樹に申請される。病気であれ事故であれ、または老衰で死んだとしてもそれも同じ。その為に彼らは亡くなった後、盛大に弔いの儀を行い、敬意を持って死者を埋葬する。

誇り高く信心深いユナ族の人間は、死に対しても誇りを持ちたがった。
大樹に申請されれば、その恩恵が死してもなお続くと信じられている故に。
そうすれば死者の魂は大樹の懐に戻る。そしてまた、恩恵を受けて再びこの世に生まれてくるのだ。

それが適わなかった者には、死してもなおさすらいの枷をはめられ、二度と大樹の懐には戻れない。


ロータスは最優良を取った時、誓約書に署名した後に大樹の管理官(神官)から説明された。

『いいですか。女として最優良を取った貴女には、ひとつ、許されている特別待遇があります。
──それは自決の自由、です。
だからといって、これは一度しか使えない事から、当たり前ですが、重要性がない事での使用は許されていません。

よく聞いて下さい、ロータス。

もし、ユナの女としての誇りを穢されそうになった時。
そしてユナの女として自身の誇りと真実を訴える時に。

この恩恵を、自身の我が儘ではなく、生きることからの逃避でもなく、自身の高潔な思いを貫こうとする時にお使いくださる事を切に願います。

もちろん、貴女がどんな思いで自害されるかは、ちゃんとした正式な遺書なくては計り知れません。
ただ、真実は全て、宇宙の大樹(そらのたいじゅ)はご存知であります。

私が最後に言いたい事は、どうか大樹の御心に恥じないような人生を……。それだけです』


それからの彼女がどんなに必死で、良き妻、良き母をやってきたのか。

そしてどうして彼女が、自分をあそこまでして助けてくれたのか。

彼女の、最期の時を語る時には、アムイはもう、涙で彼女の姿を見ていられなかった。
見ていられなかったけれども、彼女の思念はその当時の映像さながらに、アムイの脳内に映し出されてくる。

「わかった。…わかったよ、ロータス…。
君の今までの思い、君の願い……。全てこの俺が受け止めるよ。
それが…君をこのような窮地に追いやってしまった…俺ができる事だろう…」

全てが終わった後、アムイの口からは自然に言葉が洩れていた。
その呟きにも似た語りは、傍から見れば独り言を淡々と繰り出しているようにしか見えない。

アムイはじっと暗闇の中、寝台の上で正座しながら、彼女の霊に語り続けた。
「……俺にはわかる。君の大切な人間はもうすぐここに…いや、俺の元へと来るだろう…。
その時には、君の本当の思いを、君の代わりに伝えるつもりだ…。
だけど、彼が俺の言葉を信じてくれる可能性は少ない、と思う。 
──それでも…それでもいいなら……。
君のために、俺は真摯に立ち向かうよ」

アムイは言い終わるとゆらりと立ち上がった。
それが終了の合図かのように、パシッという小さな破裂音と共に一気に通常の空間に戻った。

「…俺の精一杯の恩返しだ」
だとしても、アムイには自信はなかった。彼女の本当の気持ちを、上手く相手に伝える事ができるだろうか。
何故なら、…きっと相手は抱えきれない位の闇を抱えて、こちらへ向かっているだろうから。


遥か彼方、全く異なる次元で、ロータスが切なく首を横に振るのを見た気がした。
“ああ、お願い。……だけど無理はしないで、お願い…。私はそれ以上は望んでいない…”
そんな言葉が繰り返し繰り返しアムイの頭の片隅で響いている。
”違う、違うの…ただ私は知って欲しかったの……私のためにあの人が貴方を……貴方の事を……”


「アムイ!起きて!!」
いきなり扉が開き、慌てた様子でシータが部屋に飛び込んできた。
「…て、あれ?もう起きていたの?」
暗い部屋の中、のそっと立っているアムイの姿に驚いたシータは、その場で飛びのくと思わず後退(あとず)さった。
「…ああ、今起きたところだ。……すぐに行くよ」
「え、ええ?アンタ、アタシが何で来たのか聞かないの」
シータは妙な顔してアムイの姿を上から下へとじろじろと眺めた。
アムイはふっと疲れたように笑うと、シータの元へ向かい、通り過ぎる間際に彼の肩をぽん、と叩いてひとこと言った。
「誰が、来た?」
その問いにシータは驚いて目を丸くする。
“誰か”ではない、誰“が”と聞いている。
つまりアムイには、今、誰かが尋ねてきている状態をわかっている──。という事だ。
その考えに至った途端、シータの全身にぶるっと寒気が襲ってきた。苦い顔をして彼はそのままアムイの背中を追う。
「アンタ、何か虫の知らせでもあったの」
唐突に言うシータに、アムイは無言のまま廊下を進んだ。行き先はこの宿の玄関ホールだ。
「とにかく、客が来ているんだろ?俺に」
しばらくしてアムイは言った。「誰だ」
いつになく緊張した声にシータは肩を竦めると、「ユナの人」と簡素に答えた。
それだけでアムイは目当ての人間がやってきたのではない事を悟った。
何故なら、もしあの男が来たのなら、シータがこんな風に普通に答えるわけがない。

彼なら、隠そうとしてもきっと隠し切れない殺気を漂わせて自分の元へ現れるだろう。

アムイにはわかっていた。

ロータスの唯一の男は、自分を殺すためにやってくる。

──そしてそれと同時に死に場所を求めてここに来る。

「ああ、アムイ、来たか」
ホールにたどり着くと、キイが玄関に近い所でアムイ達を振り返った。
彼の傍には、緊張した面持ちのガラムとセツカの姿があった。
「緊急で申し訳ありません」
セツカがアムイの姿を認めると、固い口調で謝罪しながら彼に頭を下げた。
キイも心なしか表情が険しい。セツカの隣では、ガラムが何かに耐えるように真っ青な顔してじっと立っていた。その瞳は宙に注がれ、アムイの姿を映していない。それだけでこのユナの二人が不穏な話を持ってきたのだという事がわかる。

アムイはロータスの嘆きの声を頭から追い出そうと必死に奥歯を噛み締めた。今は、彼女の声を聞いている時ではない。

そう。
彼女の悲痛な声はまだアムイの耳に残っていた。


≪ああ、お願い…レツを助けて…誰でもいい、どんな形でもいい…あの人を……≫

狂おしいほどの彼女の願い。
もうすでに。
全てをアムイに吐露した彼女の思いは、すでに別の方に向けられている。

彼女が一番、強く願ったこと。彼女が死してもなお、囚われている激しい想い。
それは。


── 誰か!誰かあの人を解放して………!!

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2012年12月 2日 (日)

またもや途中ですみません

最近いろいろと面白いことをしていまして
いつもとは違うパソコンで文字を打っています。
このパソコン(いつものでも入ってますが)Baidu IMEという入力方式で
文字入力時に出てくるアレのスキンが変えられるんですよー。

今は打つたびピンクの箱で桜が散ってますよー。
かわいいったら!

……すみません。話がそれました。

現在はワードを立ち上げてそれに書いてコピペ!という形式で書いていますが
つぶやきは直接書いています。

先程まで、次回更新の分を書いていたのですけど…。
ここにきて少し、軌道修正をかけようかと思い始めました。


ここだけのお話ですが、来年ではなく今年中に
某所にこの作品を改稿して投稿することになりそうです。
(まだここが終わっていないのに…すみません)
そのために色々と見直しているのですが
……こちらの方が寄り道長くなってなかなか最後に行けないことに焦りを感じ始めまして。


今ロータスのお話を書いているのですが
この話、書けば書くほどディープになっていって
書く量が多くなり過ぎてすぐに終わりそうにないかも!
ということが判明しましました。

…カァラの時もそうだったのですけど
当初の自分の設定では、主格中心にその周りの人間を描く、というものを目指していたわけです。

イメージとしては主格は旅先案内人。

……ですが、ここに来て見直す方向で軌道修正することにしました。

自分の気持ちが横に逸れる癖を直そうということも含め、
実はこのおはなし。
二人の最終までいきつく果てがかなり長い、いえ、長く大きく膨らんでしまったがために自分の中で視点を据えた方がいいのでは、と感じ始めたからです。


しかも人物が多くなり過ぎました。

かえってそれは番外編、という形を持って一本のお話が何本もできるくらいに。

主格以外の話をすると、いつまでたっても二人の話に戻らない。
今更ながらにそれに気づいて反省したわけです。

…で、

このお話を改稿し別のところに投稿するにあたり、ここでの書き下ろしを早く終わらせるために、なるべく早く二人の話に戻るよう、今のお話を略して書く事にしました。…それが成功するかはわかりませんが(汗)でも、とりあえず、大体のユナの事情をわかるように書いて、詳細の物語は後日、番外編として一つのお話にまとめることに決めました。(もちろん、カァラ編、イェンラン編、サクヤ編…とたくさんあります。ありすぎて困ってますが)

ですのでしばしお待ちを

これもまた自分の力の無さの結果で心苦しいのですが…。

なるべく早く次回更新いたします。

たまに覗いていただけると嬉しいです。

では。


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